2024.01.21
初観劇 宝塚歌劇団 『MESSIAN 異聞 天草四郎』
DVDではありますが初めて宝塚歌劇団の舞台を鑑賞しました。
演目は花組の「MESSIAN メサイア 異聞 天草四郎」。演技は勿論ですが、舞台切り替えのテンポや、衣装や大道具、また異聞というだけあって「なるほど!」という驚きの筋書きもありましたが、基本的な時代考証がしっかりしているので、不条理な領主の要求による天草・島原の民の苦しみと、その中で信仰を求めざるを得なかったと思われる背景の本質が誰にでも伝わる素晴らしいシナリオでした。
また支配者側であっても民百姓のことを想って筋を通した天草の名君 鈴木重成が登場したり、慈悲をもって籠城した民を救おうとした幕府側の葛藤にも触れられていたことも良かったです。
最近は何かとマイナスの報道が多い宝塚歌劇団ですが、これだけ質の高い舞台を娯楽として民衆に提供しようとした創業者の小林一三の「清く正しく美しく」の理念に立ち返り、改めるべきことにはけじめをつけて再起していただきたいと思いました。