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2023.04.22

おみゆきさん

甲府盆地に春を呼ぶ「おみゆきさん(御幸さん)」の祭礼に行って来ました。これは1200年以上続く水害除けのお祭りで一の宮(浅間神社:笛吹市一宮町)、二の宮(美和神社:笛吹市御坂町)、三の宮(玉諸神社:甲府市国玉町)の三つの神社の神輿や神馬が甲府盆地を横切り甲斐市竜王の信玄堤の脇にある三社神社に集まり、水の難がないことを祈ります。
 
なかでも一の宮の神は女性の木花咲耶姫であることから男性に担がれるのを恥じらうため、担ぎ手は女物の着物を着て顔には白粉を塗っています。中にはカツラを付けて本格的に女装している方もいますが、これが或る意味では正装ともいえます。
掛け声は「ソコダイっと、ソコダイっと・・・」というもので、三社神社は「すぐそこだ」という意味があると言われています。今でこそ神輿はトラックに乗せられて来ますが、昭和の頃までは人の手によって片道28Kmを担いできたのですから、掛け声だけでも「すぐそこだ!」としたくなったのだと思います。
二の宮 美和神社の神輿は、非常に簡素で小振りです。一の宮の神輿は重さが700㌔といわれ16人で担ぎますが、二の宮のお神輿は前後に一人ずつ、2人で担ぐというよりか運びます。
三の宮 玉諸神社は神輿の代わりに「ぼんぼこさま」という沢山の御幣のようなものを束ねて鏡餅のような形にした御神体で登場します。正式には神馬の背に揺られて甲府から信玄堤まで運ばれてきたそうで、江戸時代の絵巻物にも黒い神馬に載せられた姿が描かれています。来年はぜひ神馬の姿をみたいものです。

江戸時代の絵巻物に描かれた三の宮の「ぼんぼこ様」周囲には拝む人がいます。