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読み札解説「あ」

明日の元気は無尽から
あしたのげんきは むじんから

山梨県の飲食店では「無尽歓迎します」といった看板を見ることがあります。無尽とは特定の仲間が資金を積み立てるために定期的に集まることで、地域によっては「頼母子講」とも呼ばれ、鎌倉時代より日本全国にあったといわれていますが山梨県では今も根強く残っています。

もともと庶民金融の性格が色濃く、仲間内で集めた掛金を毎月1人が取って、まとまった出費に充てます。例えば10人が1万円の掛け金を出せば毎月10万円の無尽金が集まります。それを「娘が今月出産するから」とか「テレビを買うから」といった事情に応じて順番に取っていきます。
ときには「これから毎月の掛け金を1万1千円払うから、今月どうしても10万円欲しい」という人も出てきます。そうすると後から無尽金を受け取る人は、当初予定していた10万円より多い無尽金を受け取ることが出来ます。そしてこの増えた分は利息ともいえます。

このように無尽は銀行が身近でない時代に庶民の金融システムとして機能していたのですが、最近では旅行のための積立無尽や単なる定期的な飲み会としての無尽が主流になりつつあります。

また山梨県の高齢者の健康寿命が長いのは、無尽のお蔭ともいわれています。それは・・・

月1回のペースで顔を合わせると「急に痩せすぎたんじゃないか」「いつもより顔色悪いわよ」など家族でも意外と気づかないことを仲間たちが指摘してくれるため、自分の健康状態を見直すきっかけにもなっていることが理由と言われています。

また気の置けない仲間たちと他愛のない話をしたり、ときに愚痴をこぼしたりすることでストレス発散にもなるうえ、特に高齢者の場合は定期的に楽しい時間を過ごすことが生き甲斐に繋がっているためともいわれています。また若い世代では店で行うだけでなく時にバーベキューなど様々な楽しみ方を取り入れている無尽会もあるようです。

健康寿命に関しては下記のURLより山梨県のホームページをご覧ください。

山梨県/【都道府県別】健康寿命ランキング|山梨県は健康寿命トップクラス!