首都圏の水を育む 道志、丹波山、小菅村
しゅとけんのみずをはぐくむ どうし たばやま こすげむら
写真提供 丹波山村教育委員会
生命の源である水は豊かな森が生み出しています。
道志村は山梨県の南東部にあり、どこに出るにも交通の便がよいとは言い難い人口1700人にも満たない山村です。そんな道志村に大正時代から横浜市の職員が常駐していると聞くとビックリするのではないでしょうか?
なぜならば・・・
道志村の面積の実に36%が横浜市の所有する水源林になっているため、職員をおいて森の管理を行っているのです。
横浜市は明治30年(1897)より道志川の水を取水し飲料水としていました。道志の水は水質がよく横浜港に寄港する各国の船乗りたちからは「赤道を越えても腐らない水」と呼ばれていたそうです。
そんな縁もあり平成の大合併の際に道志村の住民の4割近くが横浜市との越県合併を望んで村長に対して横浜市と合併の協議を行うよう申し入れたことさえありました。結果として越境合併は実現しませんでしたが、これにより横浜市と道志村の交流が更に進み、現在は市民による間伐ボランティアなど協力しながら水源の森を守っています。
また山梨県の北東にある小菅村と丹波山村は多摩川源流に近いため東京都の水源林が広がっています。多摩川の最初の一滴こそは丹波山村から更に上流の甲州市の笠取山に発していますが、それが丹波川となり奥多摩湖に流れ込み、やがて多摩川となって東京湾に注いでいます。また小菅村を流れる小菅川は大菩薩峠の西面を源として、これまた奥多摩湖につながっています。
現在の関東平野の繁栄も、この水を育む森がなければあり得なかったのではないでしょうか。豊かな水を育む、自然いっぱいのこの3つの村に興味をもっていただけると嬉しいです。
丹波山村ホームページ (vill.tabayama.yamanashi.jp)
小菅村ホームページ (vill.kosuge.yamanashi.jp)